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「ひきこもり」に対する馬を用いたAAAプログラムの検討 北脇 香澄1) 中村和彦2) 太田光明1) 近年、動物介在活動・動物介在療法が注目されている。動物を飼育し世話をすることで命の尊さや責任感・おもいやりの心を育てる、といった教育的効果も報告されており、教育現場での動物飼育の必要性も唱えられてきている。その中でも、種々の障害者や健常者に対する馬を用いた介在活動の試みが報告され、その身体的・精神的効果が注目されてきている。この効果は、馬の特性でもある騎乗時の揺れ、飼育における馬との親密性が大きく関わると考えられ、他の介在動物と比較しても、馬は様々な障害者から健常者に至るまでさまざまな人々に対しその影響が期待できると考えられる。 一方、1990年頃から「ひきこもり」という言葉が取り上げられ、近年では深刻な社会問題となっている。年々増加傾向にあるとされている「ひきこもり」に対し、適切な援助体制の不足が指摘されている。 本研究では、対人関係の向上などを目的とした馬を用いたAAAプログラムをこの「ひきこもり」症状を持つ人、あるいはその傾向のある人に対して実施し、プログラムによる心理的効果を測定した。また、今後より効果的に活動を行うために、支援者が受ける心理的影響・馬の揺れや体格の違いによる騎乗者の心理的影響に着目し、プログラムの検討を行った。 方法
以上より、馬は「ひきこもり」の症状に対して良好な影響を与える動物であり、馬を用いたAAAプログラムを効果的に活用することで、社会復帰の場としての可能性が示唆された。 |
2003 HARs 学術大会 | 前演者の抄録
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