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自治体動物愛護管理行政に関するアンケート調査結果報告 打越綾子 昨年6月に動物愛護管理法が改正され、その実施体制を整えるべく各方面で準備が進められている。環境省では施行規則の制定作業が進められ、各自治体でも法改正に応じた施策のあり方が検討されるようになってきた。特に、都道府県では、動物取扱業者に対する規制業務が拡充され、動物愛護管理行政の推進に向けた基本計画の策定が義務づけられることになったことを受けて、その対応に追われる状況となっている。 そこで、全国の自治体の動向を整理し、今後の動物愛護管理行政の課題を模索するために、都道府県・政令指定都市・中核市の対応について、2005年7月現在の取り組み状況をアンケート調査した。詳細な選択肢を用意したことで回答に手間のかかるアンケートとなったにもかかわらず、9割以上の自治体が協力してくれたことで、現在の自治体の現場が抱える問題が整理されたように思われる。 報告では、アンケートの単純集計を提示するだけではなく、先進事例の紹介、質問項目間の連関性、都市部・農村部の比較等を分析したいと考えている。 アンケートの構成は、以下の通りである。 1 動物愛護管理に関する条例・計画の有無について 2 組織体制(本庁・保健所・センターの分担)について 3 動物愛護管理事業の内容について (1)動物愛護の普及啓発について (2)犬や猫の致死処分数を抑制するための対応について A.安易な飼養放棄や過剰繁殖の抑止に関して B.返還・譲渡事業の推進に関して (3)近隣関係のトラブルや苦情への対応について (4)動物取扱業者に対する監視指導業務について (5)住民や民間団体等との連携について (6)災害時の動物の取り扱いについて (7)動物虐待や多頭飼育への対策について 4 動物愛護管理行政の課題について なお、報告者は、昨年3月の人と動物の関係学会において、動物愛護管理行政に関わる組織編成、人事制度、そして「東京都動物愛護推進総合基本計画(通称:ハルスプラン)」の策定過程についてミクロな視点からの議論を提供した(拙稿「自治体における動物愛護管理政策の構造と過程」『成城法学』73号(2005)を参照のこと)。今年の学会では、全国的な動向を概観することとしたい。
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2006 HARs 12th. 学術大会 | 演題一覧
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