3.26 一般口演 D

不登校・心身症の子供達を対象とした
動物介在活動に参加する犬の選定と育成

松澤淑美1),飯田俊穂2)
Yoshimi Matsuzawa, Toshiho Iida

1)長野県動物愛護センター・長野県
2)特定医療法人慈泉会相澤病院心身医療センター・長野県


1、はじめに
 当施設では、不登校・心身症の子供達を対象とした様々な取り組みを実施している。
今回、これらの子供達を対象とした動物介在活動に参加する犬の選定と育成・トレーニング方法について検討したところ、若干の知見を得たので報告する。

2、実施方法
(1)小学生から高校生まで計71名を対象に、本人と面接後動物への反応などを見てから活動プログラムを作成した。
(2) 本人と保護者の承諾が得られれば、活動前と活動後に「心理テスト」を実施した。
(3)子犬は、一般の人への譲渡を目的として、健康診断と性格診断を実施した後、保健所から当施設に引継いだ。
(4)引継ぎ後、不妊措置・ワクチン接種などの健康管理をしながら子犬の行動観察を行った。同時に、あらゆる人、他の犬などへの社会化も平行して実施した。
(5)対象の子供達がふれあいを希望する犬の特徴から、この活動に参加する犬の適性診断基準を作成した。

3 結  果
 今回の活動において、対象の子供達がふれあいを希望する犬は、@初めて会ったとき、子供を拒むことなく、うれしそうに注目する。A当施設スタッフが同伴していれば、安心して、心から楽しそうに子供と遊ぶことができる。B犬自身が、子供のことを覚えていて、毎回よろこぶ。C犬自ら進んで、子供の合図に確実に従う、又は、合図がわかりにくくても、積極的に注目するという特徴があった。このことから、この活動のための犬の選定には、一般のふれあい活動適性診断基準に下記の項目を加えた診断基準を設けた。
(1)子供が急に大きな声を出しても、過剰に反応しない。
(2)子供の急激な動き、子供特有の行動に対して過剰に反応しない。
(3)子供に触られた時、落ち着いて静かにしていることができる。
(4)初対面であっても、子供に興味を持ち、拒むことなく注目することができる。
(5)当該犬の得意なゲームで、子供と楽しそうに遊ぶことができる。
(6)子供に注目し、犬自ら進んで合図に従う。たとえ合図が不明瞭であっても、集中することができる。

 育成方法は、犬自身が、子供に対して、うれしいと認識できるように、日常生活の中で、子供との遊びやゲームを取り入れて、陽性条件付けをするトレーニングを実施した。
今回の方法で選定・育成された犬達を参加させることによって、不登校・心身症などの子供達を対象とした活動において、大変有効な結果を得ることができた。

 

2006 HARs 12th. 学術大会
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