3.26 一般口演 C

「モルモットの飼育から得られた
障害者施設におけるケアプランの提案〜2例〜」

中川 亜耶人1),金井 美樹1),小山田 和美1),小林 香織1),市 桂子1),三瀬 正幸2),渡邊 学2)
NAKAGAWA AYATO, KANAI MIKI, OYAMADA KAZUMI, KOBAYASHI KAORI, ITHI KEIKO, SANSE MASAYUKI, WATANABE MANABU

1)(有)なかよし生き物倶楽部 プチZOO・岐阜県
2)(社)青山里会 身体障害者療護施設 小山田苑・三重県


(有)なかよし生き物倶楽部プチZOOは、(社)青山里会 身体障害者療護施設 小山田苑にて、2005年6月15日〜2005年8月24日の間障害を持つM氏とS氏の2名を対象とし、個別のプログラムを作成し、動物介在療法(AAT)を実施した。その結果を報告する。
[1例]M氏:62才、女性
左片麻痺と体幹機能障害
目的:生活に目的をもたせる、左手のリハビリ
方法:車椅子(座位)にて、モルモットの飼育(週1回、計9回)
飼育マニュアル作りのための記録取り(飼育終了後)
変化:意識せず左手の指が開き、モルモットを優しく撫でるようになった。ゴム手袋を左手にはめられるようになった。
 
[2例] S氏:39才、男性
痙性麻痺による四肢体幹機能障害
目的:他者とのコミュニケーションの増加、自発性の増加
方法:座位にてモルモットの飼育(週1回、計11回)
変化:動物の話題が多く聞かれた。動物の飼育を楽しんでいる様子が伺えた。
今回の研究を通して、動物を飼育することで対象者の残存能力を計り知ることが出来そうな結果が得られた。そこで、M氏は以前から園芸を趣味としていたのだが、動物との関連性を保つことが良いと判断し、馬の糞を利用して園芸用の堆肥を作ることが提案された。
S氏は回数を重ねるうちに、他者との会話にも慣れ、時間を要するが自分一人でも作業できる能力が見うけられた。そこで、軽作業が可能と判断し、労働することに生き甲斐を見い出されればと、授産施設への通所が提案された。

 

2006 HARs 12th. 学術大会
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