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動物介在教育活動における 花園美樹,田村麗,横井恵,村木佑実,溝端真也,小檜山祐介,田邉かえで,花園 誠 帝京科学大学の有志が集まり結成した動物介在教育研究会は、「動物ふれあい教室」を基盤とした各種の理科的・情操的教育プログラムを開発し、地域の小学校を舞台にして実践を繰り返している。この一環として毎年実施している上野原小学校2年生の大学への遠足受け入れは今年で3回目となった。恒例となった遠足のプログラムは、動物と自然とを介して学生と学童との交流を深める目的で組まれ、テーマ毎にテントに分かれてブースを設営、スタンプラリー形式で学童が自由に回れるようにしている。過去2回の実践で我々は、動物とのふれあいが学童に興味を惹きつけ、また最も深く印象を心に刻むらしいことを示してきた。今回のブース設営に際しては、この点を特に追究することとし、取り揃える動物種を増やし、動物種別のふれあい効果について特に検討を加えることとした。 そのために取り揃えた動物(コーナー名)は、イヌ(イヌのコーナー)、ウサギ・ジャンガリアンハムスター・スナネズミ・マウス・ニワトリ(小動物のコーナー)、ヘビ・カエル類(両生爬虫類のコーナー)である。その他、映像コーナー(ハムスターの生態についてのビデオ上映)、顕微鏡コーナー(採取した昆虫・植物等を顕微鏡観察)、双眼鏡コーナー (町並みや、大学周辺の自然観察)、馬コーナー(馬の生態についての解説とフィットネス機器「ジョーバ」体験)、動物クイズコーナー(動物福祉のクイズと環境エンリッチメントの模擬展示)、動物測定コーナー(動物・人の心音聴診と身体測定)を加えた9ブースを設営した。当日は、任意に選んだ男女8名ずつの学童の行動を追跡調査した。そして、遠足後には学童に対して簡単なアンケートを実施した他、図工の時間に描かれた遠足の絵も解析に用いた。 行動追跡調査とアンケート結果から、学童は自分が興味を持つコーナーから順に行く事が分かった。そして、アンケート結果と遠足の絵から、男子は爬虫類・両生類のコーナーを、女子は犬や小動物のコーナーを選ぶ傾向が示された。以上の結果から、学童の行動パターンや、学童が興味を持つ動物種に男女差があることが示唆された。 今回の発表では、動物に対する嗜好性の男女差を、学童の好きな動物園動物についてアンケート調査した過去の結果と照らし合わせ、これまでの活動を総括する。そして、「ふれあい」の重要性と今回の知見―動物に対する嗜好性の男女差―について若干の考察を加えてみたい。
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2006 HARs 12th. 学術大会 |