3.19/20 ポスター D

専門学校の授業で動物を展示したことによる効果・V

 

中川 亜耶人 小山田 和美  金井 美樹  市 桂子
Ayato NAKAGAWA  Kazumi OYAMADA   Miki KANAI    Keiko ICHI


(有限会社   なかよし生き物倶楽部 プチZOO  岐阜県
)


[はじめに]
2002年及び2003年に専門学校の教室内に動物を持ち込み展示し、授業中の学生にどのような影響が見出されるか調査を行ってきた。過去の調査結果を踏まえ、学生の集中度に効果が見られた「イヌ」を展示動物とし、展示した授業・展示していない授業をランダムに組み合わせ、アンケート用紙を配布し授業への集中度を調査した。又、今回は、他の講師の授業でもアンケート調査を依頼し、イヌのいない授業として比較をした。

[方法]
四日市福祉専門学校2)介護福祉学科1年生43名(男14名・女29名)を対象に、平成16年5月6日〜平成16年7月15日の間、イヌのいる授業6回・いない授業4回計10回の授業で調査を行った。授業初日、学生達にイヌアレルギーの有無を口頭で確認し、了解を得た上で動物を持ち込んだ。展示方法は、イヌ(1頭)を教室内に放し自由に歩かせた。調査方法は、毎回授業終了後にアンケート用紙を配布し記入させた。又、今回は、他の講師の授業でも同様にアンケート調査(4回)を依頼し実施した。

[結果]
アンケート結果をもとに授業への集中度を@イヌのいる授業Aイヌのいない授業B他の講師の授業、で比較した。
*「集中できた」を選択した学生は、 @60.7%A53.8%B55.1%となった。
*「集中できなかった」という学生は、@8.5%A15.4%B17.0%となった。
授業の感想より、イヌのいる授業では「イヌが来て良かった。」「イヌの存在で集中できた。」「イヌがいるだけで和んだ。」等の意見があり、多くの学生から「教室内の雰囲気がよい。」という意見も挙げられた。又、「イヌが近くに来て撫でることができ、授業中にアニマルセラピーを経験できた。」と言う学生もいた。然し、イヌのいる授業(6回)において9人の学生から、「普段接していないイヌが教室内にいることで、イヌの動きや仕草に興味がいってしまい集中できなかった。」という意見が挙げられた。又、イヌのいない授業では、悪い点として「教室がいつもよりうるさい。イヌがいるといないでは違う。」という意見もあった。

[考察]
教室に動物を持ち込むという事が、学生達にとって楽しみになっている事は、過去2回の結果および今回の調査においても窺う事ができた。今回の調査において、教室にイヌが1頭いるという事が、教室全体の雰囲気にまで影響し、学生の授業に対する集中度を高める効果が得られたと思われた。

 

2005 HARs 11th. 学術大会
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