|
|
職場でのコンパニオンアニマル(犬)の介在効果について 矢島 伴美 霜越 智子 小川 家資 [はじめに] 現代社会は「ストレス社会」と言われ、私たちは多くのストレスにさらされている。そこで近年、作業者の職場ストレス解消や感性への刺激を目的とし、職場に「オフィス犬」と呼ばれるコンパニオンアニマル(犬)を導入している例がみられる。本研究では職場におけるコンパニオンアニマルの介在が作業者のストレスをどの程度解消しているか、ということについて気分プロフィール検査POMS(Profile of Mood States)を用い、犬以外の条件と比較することにより実験・検証した。 [方法] 課題とする作業は「単純データ入力作業」「クレペリン検査」及び「パズルゲームによる創造作業」の3水準、休憩は「ペットと遊ぶ」「ペット型ロボットと遊ぶ」及び「雑誌を読む」の3水準、計9個の組み合わせを実験条件とした。職場ストレスの指標としてはPOMSを使用し、実験室入室直後、課題作業と休憩前後の計7回を測定時点として調査した。実験は被験者2〜3名がオフィスを見立てた実験室(W4.4m×D6.8m×H2.6m)で同じ課題作業と休憩を全員が繰り返す手順で実施した。本学の健康な学生12名(男子6名、女子6名)が被験者として参加し、休憩時に用意した犬は被験者が伴侶とする犬か、あるいは同等の関係にある犬で被験者全員が熟知している犬とした。ペット型ロボットに関しては、ソニー製ロボットAIBOの機種とソフトウェアの異なる5台を用意し、実験前に被験者が選択するようにした。雑誌は文字が少なく軽い気持ちで読めることを意図とし、情緒面等に個人差が生まれないようなものを7冊用意して被験者に選択させた。 [結果] POMSで求められた6つの気分尺度である「緊張・不安」「抑うつ」「怒り・敵意」「活気(活力)」「疲労」および「混乱(思考力低下)」のそれぞれの得点を従属変数として課題作業、休憩、測定時点を独立変数として分散分析を行った。その結果、「活気」すなわち「活力」では休憩の効果が高度に有意(α=0.01)であり、「疲労」と「混乱」では休憩の効果が有意(α=0.05)であった。 [考察]
|
2005 HARs 11th. 学術大会 |