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動物/ロボット介在活動における高齢者の反応の違い 小笠原梨絵1) 横山章光2) 小川家資1) 【序論】 我々は動物介在活動(Animal Assisted Activity=AAA)を発展させたロボット介在活動(Robot Assisted Activity=RAA)をこの3年間試行しており様々な知見を得ている。近年、動物介在活動(AAA)やロボット介在活動(RAA)が盛んに行われているが、動物やロボットに対する高齢者の反応の違いを検証した報告は見当たらない。そこで本研究では動物及びロボットを介在とした普段の活動において高齢者の反応の違いを調べた。 【方法】 老人保健施設において普段の動物介在活動(AAA)及びロボット介在活動(RAA)を3回ずつ(計6回)実施した。その活動時の様子をビデオ撮影した。高齢者の反応の指標として、「手を伸ばす」、「笑う」、「しゃべる」の行動を30秒毎に1-0サンプリングによって求めた。被験者として、6名(女性)の入居者が参加し、活動時間はいずれも30分である。 【結果】 「手を伸ばす」「笑う」「しゃべる」の各項目を動物とロボット介在時で比較すると「手を伸ばす」では、動物が介在した場合にその行動(回数)が多く、「笑う」「しゃべる」では、アイボが介在した場合にそれらの行動(回数)が多くなることが分かった。尚、動物及びロボットが介在した場合の各項目(回数)について差の検定を行った結果、「手を伸ばす」では危険率5%、「笑う」では危険率1%、「しゃべる」では危険率10%で統計的に有意差が認められた。 【考察】 各項目別に考察してみると 「手を伸ばす」 どの被験者も動物好きであったのでより多く触ったりした。しかし、ロボットは初めて見るものであり高齢者にとって動きが予想できなかったために自らは触らず介在者に促されて触るということが多く見られた。 「笑う」 この項目に関してはロボット介在活動(RAA)では介在者の役割が大きいといえる。動物介在活動(AAA)時はイヌやネコと一緒であり触り方や動きの説明などは普段もあまりない。動物のハンドラーが必ずしも始終会話をしているのではなく会話がないときもある。会話がないことが悪いということではなく、会話がなくてもハンドラーは側にいて動物を撫でる高齢者を見ていることもある。しかしロボット介在活動(RAA)は説明したり触ってみるよう促したりということが不可欠である。コミュニケーションの多さから数値が高くなったとも考えられる。動物にはない動きに驚いたあとに笑うというのも多く見られた。 「しゃべる」 「笑う」と同様、ロボット介在活動(RAA)では介在者とのコミュニケーションが多い。ロボットには命令することができるので自ら「おすわり」「お手」といった命令をすることでこの項目の数値が高いといえる。 |
2005 HARs 11th. 学術大会 |