ヒューマン・アニマル・ボンドの理想に基づく
CAPP訪問活動を実践して
柴内 裕子
(赤坂動物病院・東京都)
CAPP訪問活動は、動物たちを伴って各種の施設や病院、ホスピス、学校等を訪問し、入所者や子供たちに動物とのふれあいの時間を持っていただくボランティア活動です。
この活動は、1978年に発足した社団法人日本動物病院福祉協会(JAHA)が当初より掲げていた、獣医学と医学を通じて社会に貢献する、という理念に基づき推進しているものです。
JAHAが日本で最初にこの活動をスタートさせたのは、1986年5月、神奈川県横浜市の特別養護老人ホーム「さくら苑」でした。それ以来、日本全国での通算訪問回数は、2003年3月現在、約350ヵ所、5,200回です。
・ 高齢者施設、病院、ホスピス等・・・動物とのふれあいによって、対象者の心と身体のリハビリテーションや医療の手助けを行ないます。
・ 学校等・・・次の時代を担う子供たちに動物との正しい接し方、人と動物との絆の大切さを教えます。
・ 訪問活動に参加する動物の基準・・・訪問する動物は、健康かつ清潔、そして適切なしつけが必要条件です。本協会では、活動に参加する動物(犬、猫)と飼主にCAPP活動参加基準を設けています。
また、さらに厳格なCAPP犬猫認定基準を設けて認定試験を行なっています。認定試験に合格した動物と飼主のペアは、「CAPP認定パートナーズ」と呼ばれます。
・ 責任の所在・・・CAPP訪問活動は社会的な活動です。全ての事故発生に対して責任の所在を明確にしておくために、活動先の諸施設の責任者と本協会の責任者が覚書を交わしてから活動を始めます。さらに本協会では、各種の保険に加入するなど危機管理を徹底しています。
・ 活動の安全性・・・過去17年間、延べ5,200回の活動で、対象者のアレルギー反応、感染症は皆無であり、保険を適用するような事故は1件も発生していません。このことは、健康管理、衛生管理、正しいしつけをされた動物がいかに安全であるかを証明しているものです。
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