3.22 第10回大会記念企画
ヒューマンアニマルボンド再考
ヒューマン・アニマル・ボンド

山崎 恵子
(ペット研究会「互」)


  最近、人と動物の絆がはやり文句のようであるが、その意味を適切に説いている者はあまりいないようである。

 人と動物の絆という言葉はやや情緒的な響きを持つと思われるために誤解されやすいのではなかろうか。

 我々が人と動物のさまざまな関係を語るときにはこの言葉よりも人と動物の接点というべきなのかも知れぬ。

 接点、といえばそこには客観性が生まれもう少し冷静に人々は動物を語ることができるようになるのである。

 人と動物の関係学はまだ研究分野としては確立されてはいないが、そこにはアニマルセラピー以上のものが存在することはいうまでもない。人間の生活がいかに動物と密にかかわっているかを明確にすることが関係学の本来の目的であろう。故にそこには産業動物、実験動物、野生動物、展示動物など等とひととの相互作用も含まれており決してコンパニオンアニマルが主役であるというわけではないのである。

 このことを認識しさらにはすべての動物と人との関係の共通分母ともなるべき事柄は何であるかをあきらかにすることによって我々は初めてヒューマンアニマルボンドを語るためのスタート地点に立てるのである。





2004 HARs 学術大会
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