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神奈川県A地域の小学校飼育動物の現状と
西 勝海1) 竹内
一男2) 小学校で飼育されている動物に関しては明るい話題が少ない。飼育管理が悪く批判の対象になったり、飼育数や種類および飼育校の減少がその主なものである。しかし子どもがいきいきと世話をしているのを見ることができる学校も多い。各学校の教員が最も考えていることは、どうすれば子どもが毎日喜んで世話をし、動物に快適な毎日を過ごさせ、世話を通して子どもが学習をするかである。A地域の小学校の飼育現状を調べると共に、学習に結びつける飼育を試みた。 1.教員に対する調査より 1),ウサギの飼育校数と羽数 神奈川県A地域には33校の小学校があり、そのうちの26校を調査した結果、ウサギが飼われていたのが、18校であった。飼育羽数は20 羽、10羽が各1校で他は3羽が4校とまちまちで、何らかの傾向は見られなかった。昨年よりウサギがいなくなった学校は2校増えている。しかしその学校にはニワトリが飼われており、ウサギ以外の飼育動物も含めると動物飼育学校数はもう少し増える。 動物飼育校が漸減する要因は、@週5日制、A夏休みなど長期休暇中の教員の勤務体制、B教材ではあるが、学校での必要度や価値が重要視されなくなった等が考えられる。 2),餌の調達方法(複数回答あり) @収集した飼料が主でラビットフードが副、教職員の努力で収集している(給食の残り、家庭から等)。 5校Aラビットフードが主であるが、保護者や外部の方の協力によって持ち込まれる餌も与えている。 2校Bラビットフードが主であるが児童が収集・調達してくる野菜なども与えている。 12校 Cラビットフードのみによる飼育。 3校 3),医師との連携 @決まった獣医師との連絡が定期的に取れている 1校 A怪我や病気が発生した時のみ連絡する。 8校 治療費は運営費(学校)とPTA B特に決められた獣医師はいない。 10校 4),教員が気になっていること @休日の餌やりが大変。係りとして日曜日に必ず餌やりと掃除に学校へ行っている。 年末年始、長期休暇などは市の学校開放シルバーボランティアにお願いできないだろうか。 A餌代がかる、PTA予算では足りない。 この他に学校全体としてはアレルギーの児童への対処、不審者の侵入、飼育舎の修理などがある。 上記は教員の立場から直接飼育に関係することであるが、教員が最も考え、悩んでいることは、子どもが世話をしなくては学校での飼育の意味は無い、どうすれば子どもが毎日喜んで世話をし、動物に快適な毎日を過ごさせ、世話を通して学習するかである。 2,子どもが喜び、学習にもなる飼育方法をめざして @どんな植物をどの程度好むか、単独で食べさせてみたり、数種を選択させてみたりを試みる。 Aウサギはキャベツをどのように食べるか。個体による食べ方の違い。 Bウサギの1日の行動、顔を撫でるのは1日何回、あくびをするのはどんな時。 C満腹時と空腹時の動きの違い。 D食べた後にする行動はどんな行動か。 E小屋の中で最も長くいる場所は、それはなぜか。 上記以外にも多数の調査が試みることができ、子どもは楽しんで取り組むことが予想される。
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2004 HARs 学術大会 |