3.21/22 ポスター B

スタディ・ドッグ・スクールの活動と展望
−犬の社会化を促進するために−

鹿野 正顕
(
麻布大学獣医学部 動物人間関係学研究室(ドッグチーム代表)・神奈川県)


 私たち麻布大学 動物人間関係学研究室では、“犬と人とのより良い共存関係・社会の構築”つまり“犬の社会化”を目指した研究に取り組み、それらの研究結果をもとに、「人が犬を学び、犬が人社会を学ぶ」というコンセプトのもと、スタディ・ドッグ・スクールという活動を行なっている。
 犬はペットからコンパニオンアニマル呼ばれるようになり、より一層人との生活空間を共有する存在になってきた。それに伴い、人と犬との間に様々な問題が生じるようになり、人と犬との新たな関係の在り方が問われるようになった。従来のしつけ方教室は犬にスワレやフセ、そしてマテなどのしつけ方法を飼い主に指導するものがほとんどである。しかしながらこのいわゆる“犬のトレーニング方法”という指導だけでは本当の意味の人と犬との信頼関係を構築していくことは困難である。人と犬とが信頼関係を築き上げるためにはまず、飼い主が犬という動物について理解し、犬に対して正しい教育を行なっていく必要がある。

そこでスタディ・ドッグ・スクールでは、以下の基本とした教育プログラムを行っている。
● 犬のボディランゲージ
● 行動学
● 学習理論
● 衛生管理学
● 栄養学
など、誰もが理解できる形で各々の飼い主に対する指導を行い、第一に犬を理解してもらい、飼い主とのより良い関係を築いてもらう。

さらに、
● 人と犬が生活していくうえで犬が守るべきマナー
● 飼い主が守るべきマナー
● 犬の教育の仕方
を理解してもらうことで、社会性を持った犬そして飼い主となってもらう。

 スタディ・ドッグ・スクールを通した飼い主教育を行うことで、日本における飼い主の犬に関する知識を高め、社会に対するマナーが向上することができる。またその結果、日本における犬の社会的地位を大きく高めることとなり、さらなる犬の重要性を見いだすことができると私たちは考えている。

 

 

2004 HARs 学術大会
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