|
|
専門学校の授業で動物を展示したことによる効果・U 中川 亜耶人 小山田 和美 金井 美樹 小林
香織 【はじめに】 私達は、一昨年専門学校の教室に動物を持ち込み展示し授業中の学生にどのような影響が見出されるか調査を行った。そして今回も同様の調査を実施した。調査対象を昼間の授業・夜間の授業の学生とし、それぞれ異なった動物を持ち込み授業後にアンケートを渡し授業への集中度を調査しまとめた。 【方法】 社会福祉法人青山里会(三重県)の中にある四日市福祉専門学校介護福祉学科の学生44名(男19名女25名)夜間授業クラス22名(男12名・女10名)を対象に、平成15年4月17日〜平成15年7月10日までの間、昼間9回・夜間3回授業に動物を持ち込み調査を行った。展示する動物は、昼間の授業では、ケージに入ったオカメインコ(2)・セキセイインコ(6)・フィンチ類〔(ブンチョウ(2)・キンカチョウ(2)・ジュウシマツ(1)・ベニスズメ(1)〕をそれぞれ3回ずつ展示した。夜間の授業では、イヌを1頭連れて行き教室内を自由に歩かせた。調査方法は、毎回授業終了後にアンケート用紙を配布し記入してもらった。 【結果】 *昼間 全9回を通して、「授業に集中できた」と回答した学生は41.7%・「普通だった」40.5%・「集中できなかった」17.1%となった。展示した動物毎に「集中できた」と回答した学生を比較すると、セキセイインコ48.2%・オカメインコ40.6%・フィンチ37.2%と言う結果になった。授業の良い点として多くの学生が、トリの存在によって「和み」や「癒し」を感じながら受講できた事を挙げている。一方、「インコの声がうるさい」等マイナス面を挙げる学生もいた。 *夜間 夜間の授業では、「集中できた」43.5%・「普通だった」38.6%・「集中できなかった」17.7%という結果だった。教室内をイヌが歩いているので気になったという学生も居たが、別の動物を連れて来て欲しいという意見はなかった。授業の良い点として「イヌが居た事」「ふれあえてよかった」などと挙げらていた。 【考察】 教室に動物を持ち込むという事が、学生達にとって受講の楽しみの1つになっている。昼と夜の授業の学生数は不揃いであるが「授業に集中できた」と回答する学生の割合には殆ど差がなかった。就労学生にとって、夜間の授業は集中力が不足になり易いが、イヌの存在がプラスの効果に働いたのではないかと思われる。トリの展示については、鳴き声の有無に関わらずトリの存在が授業中の学生に和みを与え、約4割の学生が授業に集中できた要因になったと推測できる。
|
2004 HARs 学術大会 |