ヒトと動物の関係学会(HARs)

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月例会報告

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第96回 ヒトと動物の関係学会月例会
『動物愛護法―法律改正に関する議論と変遷』

時 間: 2012年11月24日(土)14:00〜17:00
場 所: 東京農業大学世田谷キャンパス1号館111教室
講演者: 加隈 良枝(帝京科学大学)


 第96回月例会は帝京科学大学で動物行動学や動物福祉の研究をなさっている加隈良枝先生をお招きしての講演でした。加隈先生は平成22年度より動物行動学や動物福祉における専門家として動物愛護管理法の改定に携わってきました。動物愛護管理法が平成24年6月に一部改正されたことを受け、それまでに行われた動物愛護管理のあり方検討小委員会の内容を中心にお話いただきました。
  動物愛護管理法は昭和48年に動物の保護や管理を中心としたものとしてつくられました。その後、平成11年、平成17年の2回改正が行われ、内容も家庭動物の取り扱いを中心とした理念法と産業動物や実験動物の取り扱いを中心とした規制法と細かく分類されました。動物福祉において、人間から動物にかかる影響をみる科学、動物の扱いに関する是非を問う倫理、またその取り決めである法律と三つの側面は重要とされています。また、動物愛護管理法は環境省から公布されている法律ですが、動物に関わる他の法律との関係性も十分に配慮される必要があります。例えば、厚生労働省管轄である補助犬、狂犬病、化製場に関するもの、農林水産省管轄である獣医師関連法、文部科学省の管理する文化財保護に関するものなどです。検討会では、これらを含めあらゆる側面から議論が行われました。
  検討会は平成22年の夏から行われ、平成23年10月に終了しました。結果、基本原則が2つ新設されました。その内容は動物福祉における5つの自由に通じるものとなっており、これはすべての動物に適用されます。また、他にも様々な点で改定された部分がありますが、主なものとして動物販売業者が扱う動物の販売日齢の変化が挙げられました。犬が生後35〜40日齢で販売されている事例などから、改正後は生後56日齢(8週齢)に規制されます。ただし、施行後3年間は45日、その後別に法律で定める日までの間は49日とする猶予期間を設けるかたちとして成立しました。また現行法では、動物虐待の定義が曖昧であったため、その明確化が行われました。
  動物の扱いにおける実態は、倫理や思想、法・行政、教育など分野ごとに違いがあり、相互作用によっても変化します。今回の動物愛護法の改定は法・行政分野の一角に過ぎないとのお話がありましたが、日本において国の考える動物福祉とは何かを示す一つの指標となると思います。

(東京農業大学農学部バイオセラピー学科4年 谷島萌子)



 
     
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