ヒトと動物の関係学会(HARs)

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月例会報告

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第95回 ヒトと動物の関係学会月例会
『台湾の野生動物と動物保全の現況』

時 間: 2012年7月28日(土)14:00〜16:00
場 所: 東京農業大学 世田谷キャンパス1号館1F 113教室
講演者: 張東君
 

 

  第95回月例会では、台湾の動物園で活躍なさっている張東君先生をお招きして行われました。張先生からは、台湾の環境や風習、文化などの台湾そのものから説明して頂き、その環境のなかで、動物園や行政がどのように動物の保護を行っているのかお話しいただきました。
  台湾は熱帯から亜熱帯の環境にあり、固有種が数多く存在する生物多様性に優れた地域です。そのため密輸の被害も多く被害を防ぐためのレスキューが台湾各地に存在しています。また、動物保護には宗教やメディアの影響が強く、保護と愛護が対立することもあるそうです。宗教においては動物を自然に放すことで救われるといった風習もあり、有毒の外来種を自然界に放す事例や、淡水にすむカメが海水域で放された事例などの間違った動物愛護が行われることもありました。そのため、レスキューや動物園において保護が行われるそうです。
  しかし、野生動物の保全や保護を行いたい台湾の獣医学生は少なく、実際の保護は獣医のボランティアによるものがほとんどであるために、解決策として環境教育法と共に固有種保護を含む教育プログラムが施行され、台湾にある大学が相互に連携し若者の指導者の育成を目指しているそうです。
  また、固有種保護のために農家と保全団体が協力し生息地の保護にも乗り出しました。保護のためには有機農業が必要となりますが、農家としては、生産効率が低くなるとして、あまり好意的ではありません。そこで有機農業での農産物にブランドをつけ売り上げを伸ばすことで農家とも連携し、また売り上げを保全の資金に運用することで、活動を広げていくことが可能となりました。
  今回の張先生のお話の中で、メデイアによる保護への影響力や地域住民との連携、行政との関わりなど、保護や保全に関しての幅広い視野を学ぶことができたのではないかと考えます。実際に現地に住む住人やその周りの環境を整えること、教育による人材育成、文化との共存を目指すことが、保全に対する市民のより深い理解へつながるのではないでしょうか。

(東京農業大学大学院 渕上真帆)



 
     
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