ヒトと動物の関係学会(HARs)

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月例会報告

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第94回 ヒトと動物の関係学会月例会
『生命を守る―炭鉱夫のマスコットとしてのカナリア―』

時 間: 2012年6月16日(土)14:00〜16:00
場 所: 東京大学農学部7号館A棟104-105号室
講演者: 島森 尚子
 

  第94回月例会は、ヤマザキ学園大学で文学史を基盤とした研究をなさっている島森尚子先生からお話いただきました。ご講演は炭鉱夫とカナリアの関係についてカナリアの家畜化から始まり、ペットやマスコットなど、人との関わりに関してお話いただきました。
  今でこそ一般的な飼い鳥であるカナリアですが、家禽化された当初は中流・上流階級の飼育が主であり、大衆化したのは18世紀以降とのことでした。家禽化された後はカナリアの品種も増え、飼育本がロングセラーになるなど、根強い人気となりました。そのような背景から、炭鉱のある町でもカナリアの人気は高く炭鉱に野鳥の代わりにカナリアを持ち込むようになったそうです。そのような背景の中で、イギリスでの炭鉱事故からカナリアとハツカネズミが有毒ガスに有効であるとの発見がありました。結果、当時の法律により義務になるほどカナリアが炭鉱で使われるようになりなりました。以来、「繊細なカナリアがガスを吸って死ぬと、炭鉱夫は地上に退避する」という一般的なイメージがつきましたが、実際のところカナリアはとても丈夫で炭鉱夫も自身の命を守るためにカナリアを犠牲にしたのではなく、地下深く蒸し暑い、死と隣り合わせの過酷な環境の中で炭鉱夫は心の拠り所としてカナリアを愛していたそうです。機械によるガス探知や閉山してもなお、カナリアへの愛情は消えることなく現在も飼育されているようです。炭鉱夫のみならずカナリアの人気はさらに広がり、飼い主の周りを縄張りとする習性から座り仕事や細かな作業をする職人にとっても人気となりました。作業場できれいな歌声を聴かせてくれるカナリアは職人にとって癒しの空間になったことでしょう。
  ペットとしての歴史も古く、世界中で愛されるカナリアのような家禽も珍しいのではないでしょうか。カナリアの人気と、魅力について知ることができた貴重な時間となりました。

(東京農業大学大学院 渕上真帆)



 
     
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