ヒトと動物の関係学会(HARs)

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月例会報告

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第75回 ヒトと動物の関係学会 月例会
『日本での、障害者乗馬の発展を考える』

日時: 2009年11月15日 午後2時から
会場: 東京大学農学部3号館教官会議室(4階)

 
主催:ヒトと動物の関係学会
共催:JRAD(日本障害者乗馬協会)
ANTRA(全日本障害者乗馬協議会)
RDA Japan

 今回のシンポジウムは、前半はアメリカにあるグリーンチムニーズ(以下GC。それぞれの問題を抱えた子どものための施設)に関する報告、後半は障害者乗馬に関わる各団体の代表者によるパネルディスカッションという構成でした。一見まとまりのないように思われる構成ですが、実に面白いシンポジウムでした。これまでアニマルセラピーについて関心はあっても、「馬」は一歩離れた、なにか違ったもののような気がしていましたが、アニマルセラピーに関心がある人すべてが勉強になったのではないかと思います。
まずは帝京科学大学の横山章光先生が、自身が15年前にGCを訪問したころから抱いていた疑問を解明すべく、単身でGCに20日ほど住み込んでわかった、「GCの全体像」について報告してくだいました。GCは学校や病院、そして農場などが備わった施設で、被虐待児や情緒障害、アスペルガー障害をもつ子どもたちが通所あるいは寮生活をして利用する施設です。その後、「農場」のひとつの「馬」について、東京農業大学を卒業後に3カ月間インターンとして働いてきた金子明日香さんが報告してくださいました。内容を少し紹介します。
日本では「アニマルセラピーの到達点」のようなイメージを思い描かれることが多いようですが、現在のGCでの「子どもと動物とのかかわり」は、「子どもの労働」としての意味合いが強いように感じました。もちろん治療的・教育的な効果が感じられるからこそ維持し続けているのでしょう。しかし例えば、動物の何がどのようにいいのか、ということは漠然としているようでした。GCには、ロバやミニチュアホースを含めて22頭もの馬がおり、それに見合うだけの運動場や牧草地があるため、かなり大規模であるように思います。GCでは動物にかかる資金は寄付でまかなっており、馬も寄付金によって購入するか、オーナーから預かっているそうです。この規模でいれる最大の理由は、ボランティアやインターンからなるマンパワーでしょう。この「マンパワーをうまく生かすこと」がGCから学ぶべき、日本の課題であるようでした。
後半は、RDA Japanから近藤誠司先生、JRAD(日本障害者乗馬協会)から三木則夫先生、ANTRA(全日本障害者乗馬協議会)から局博一先生、JTRA(特定非営利活動法人日本治療的乗馬協会)から滝坂信一先生、NRCA(全国乗馬倶楽部振興協会)から草野信一先生がお越し下さり、活発なディスカッションが行われました。ディスカッションから、私が感じたことを報告させていただきます。
私は乗馬の経験がほとんどなく、乗馬に関する知識は全くありません。「馬」に関する団体がたくさんあって、たとえば「乗馬をはじめよう」と思っても、どうしていいのかがわからないのです。イヌのトレーニングについて同じ悩みをもちました。自分とこれから長いこと付き合っていくイヌをしつける際に、トレーナーさんによって全く異なる方法の中から、誰を頼ればいいのかがわからないのです。
たとえば障害のある人が、「馬に乗る」と一口にいっても、体験的な乗馬、継続的な乗馬、スポーツとしての乗馬、治療目的の乗馬など、目的はそれぞれの人によって異なります。あるいは乗馬を始めてから、それぞれの目標が変わってくるかもしれません。今回のディスカッションを通して、各団体がそれぞれの「強み」を持っていることがわかり、先生たちは、各団体の強みを生かしながら今後もっと横のつながり(団体同士の連携)を高めていきたいとおっしゃっていました。これから乗馬を始めたいと思う人がよりよく乗馬を楽しめるよう、「横のつながり」が手引きしてくれるのではないかと、期待が膨らみました。

(帝京科学大学大学院 理工学研究科博士課程前期 石坂奈々)



 
     
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