ヒトと動物の関係学会(HARs)

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月例会報告

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第69回 ヒトと動物の関係学会 月例会
『「河童」のイメージはいかにしてできたか』
日時: 2009年2月7日(土) 14: 00-17:00
会場: 東京大学農学部4号館104室

講師:
中村禎里(立正大学名誉教授)

今回の月例会は、「日本人の動物観」で有名な中村禎里先生をお招きした。「狐」・「犬」に続き、今回の「河童」で3回目となる中村禎里先生の講演を聴こうと多くの人が集まった。
「河童」が物語として文献に出始めたのは16世紀に入っての事であるが、多く見られるようになったのは17世紀末くらいである。
「河童」と言うと、亀のような甲羅に水かきのある手足、頭の上に皿があるイメージが思い浮かぶ。しかし、「河童」と一言に言っても「猿型」、「亀・スッポン型」、「山人型」とあり、カワウソが老いて“かわろう(「河童」の別名)”と書かれた文献もある。「河童」の出没する場所は平坦な所から急に深くなる用水や堀、人工水路、岸辺の淵など水辺である。この水辺で「河童」は人や馬を水に引き入れたり、厠で人の尻をなでたりすると言われる。
「河童」は男性とされることが多く、その理由として「河童」の老いる前の姿といわれるカワウソが16世紀の中国の本土書においてメスがいないと言われて来たことや、おかっぱ頭の男の子が多かった当時、溺れてたくさん水を飲んでしまった子をみて「河童」と言われたことも関係していると先生はおっしゃっていた。当初は恐ろしいイメージのあった「河童」だが、18世紀半ばに妖怪のイメージが変わり、恐ろしさは減り、かわいさが増したと言われる。
「河童」というと空想上の生き物というイメージがあるが、面白いことに1805年に遭遇した体験者からの調査が行われている。聞き取られたことは「大きさ」「言語能力」「容貌」「相撲の力量」「体毛の有無」「頭の皿について」などである。この調査において「河童」を体験した人は、見た「河童」の姿が似ていたそうだ。
「河童」と言えばキュウリのイメージが強い。キュウリは瓜の中でも安価で手に入れやすいものである。「河童」を水の神と考えると、瓜好きと言われる水の神の中で「河童」は下級であり、安価なキュウリとつながったためではないかと先生はおっしゃっていた。
「河童」が出ると言われる人工水路や堀は、現在、頑丈な柵やガードレールで囲まれてしまっている。すると、「『河童』は出てきにくい」と先生はおっしゃっていた。まだ、各地に残る「河童」の出そうな水辺を巡ってみたいと思った。

(帝京科学大学 アニマルサイエンス学科 4年 藤田典子)



 
     
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