ヒトと動物の関係学会(HARs)

会員登録内容変更 | トップページへ戻る
HARs活動 | HARs関連機関の活動 |
過去の大会報告 | 事前登録 | 演題募集 |
学会誌一覧 | 学会誌購入 | 投稿 | 投稿規定 |

月例会報告

small logo
   

 

第62回 ヒトと動物の関係学会 月例会
『ペットは少子化の因子となりうるか』
日時: 2008年7月26日(土) 14: 00〜16:00
会場: 東京大学農学部4号館104室

講師:
小西崇晃(リブランひと住文化研究所)

  今回の月例会は『ペットは少子化の要因となりうるか』というテーマのもと、(株)リブランの小西崇晃にお話いただいた。これから結婚、子育てを行いたいと思いながらも犬と暮らしている私からすると、つい喰いついてしまう内容であった。このテーマに関して様々な考えが参加者の中にあってなのか、私が参加するようになって初めてだと思われる熱い空気に会場は包まれた。

ペットと共に暮らすということは様々な面でプラスの効果があることがうたわれてきた。しかし、「本当なのだろうか」という、疑っている部分もあった。この調査ではその「本当なのだろうか」の部分を調査している。
  まずはじめに、この調査は「単身女性のペット飼育の有無とライフスタイルに関する意識調査」であり、ペット飼育を批判しているわけではないということを理解していただきたい。
ペット飼育者と非飼育者の内、特定のパートナー(恋人)がいない人に対する「現在パートナー(恋人)がほしいと思っている」かどうか、のアンケート。非飼育者のほうが「欲しい!」と思っている。また、「将来ほしいと思っているか」についても、非飼育者のほうが「欲しい」と思っている割合が多い。また、結婚願望に差はほとんどないにもかかわらず、理想と考える年齢など結婚に対する年齢は、非飼育者のほうが低い傾向にある。それはつまり、結婚願望はあるものの、ペットがいることにより、ある意味心理的に満足が得られ、恋人という異性に対しての欲求が薄れてしまっているのではないか。
今回のテーマの本題である『少子化』。子どもに対するアンケートで、ペット飼育者は非飼育者と比較して「欲しくない」と思う割合が多い。ペットを「子ども」と認識している飼育者からすると「子ども」という存在はペットが補っており、新たに「子ども」は特に欲しくないということなのだろうか。一人暮らしの寂しさゆえに一緒に暮らし始めたペットが、『癒し』、『安定感』などの反面、少子化に影響していると思われる。
ペットを飼育する前後の変化では『増加』と『減少』だけに着目するとアクセサリーの購入やエステ、ネイル、ヘアサロン、国内外旅行など自分にかける割合が減少している。旅行に関しては減少したと答える人の割合が40%を超える。今まで自分にかけていたお金が、ペットを飼育することによって減少している。しかし、ペットを飼うということは支出の割合が『ペット』というカテゴリーが増える分、変わってくるのは当たり前だ。しかし、旅行などの減少割合をみると、ペットがいるからなのかと、思う部分もある。

今回この講演を聞きながら妙に納得してしまう部分が多々あった。一人暮らしで犬と暮らしていると、基本的に犬中心の生活になってくる。家に帰れば「ただいま」を言う相手がいるため、特に寂しいと思わなくなってくる。すると「彼が欲しい」と思う反面、「別にいいか」などと思ってしまう部分もある。『ペット』という存在をどのように受けとるかは個人によって異なるし、『ペット』の存在が必ずしも「少子化」ということに影響をもたらしているとは言い切れないと思っていた。しかし、今回の講演を聞いて『ペット』という存在は「少子化」に要因している可能性がゼロではないかもしれないという思いが離れなくなった。要因は個人によって様々だと思われるが、『ペットは人間に対して従順』ということが引っかかってならない。
今まで、動物側から研究している人の話をたくさん聞いてきたので、人側からのアプローチのこの研究についてとても興味を持った。特に今回のテーマはとても難しい。そのため、講演中色々な意見が飛んだ。このテーマに関する調査はまだ掘り下げられる。追跡調査をぜひやっていただきたいと思ってならない。

(帝京科学大学アニマルサイエンス学科4年 藤田典子)



 
     
About Us | Privacy Policy | Contact Us | ©2008 Human Animal Relations (HARs)