ヒトと動物の関係学会(HARs)

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月例会報告

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第46回 ヒトと動物の関係学会 月例会 「アジア人の動物観 PARTU」
2005年3月、第11回学術大会で近隣諸国の人々の動物とのつきあい方を知るために企画されたシンポジウム、「アジア人の動物観」の第2弾
   
日時: 2005年 9月17日(土) 午後2時〜4時30分
会場: 東京大学農学部・7号館A棟1階104/105号室
司会: 石田おさむ(多摩動物公園飼育課長)
 
朱 大勇
(中国出身)
石本景淑
(韓国出身)
佐藤マリヴィック
(フィリピン出身)
石田おさむ
(多摩動物公園飼育課長)

 秋の気配を感じるようになった3連休初日の午後、ヒトと動物の関係学会第46回月例会が東京大学にて開催された。石田氏(多摩動物公園)司会のもと、30名以上の参加者を交え和やかな雰囲気で開始された。今回の月例会は第11回学術大会でも好評であったアジア人の動物観というテーマであり、前回とは異なる国からの出身者が演者として招かれた。それぞれの演者が三者三様の国々におけるペットや好み、崇拝や芸術そして食といった社会に関連する動物の存在、さらには日本おける動物について述べられた。この中で最も印象的であったのは、韓国出身の石本氏の言葉で、日本に来て25年経つが、最初のころ飼い犬についての会話の中で「うちの子・・・」という表現にとまどいを感じたことであった。しかし、日本では引っ越すときに飼い犬や猫を捨てたりしていることに矛盾を感じたそうである。韓国、また他の中国、フィリピンでも捨て犬や捨て猫の存在はほとんどないという。中国出身の朱さんも、日本では動物に関することがニュースでもしばしば流れ、日本人は動物が好きだという印象を持ち、三者ともに自国よりも日本は動物と関係が密接であるという点で一致していた。しかし、いわゆるペットに関しては飼われている種類も多く、服を着せるなどの文化(?)の違いにとまどいを隠せないようであった。
また、韓国においての犬を食べる風習に関しては、皆が食べている訳ではなく、現在は祝い事など限られたとき限られた人が食していると述べられた。ペットではやはり人になつく性格から猫よりも犬を好む傾向が見られた。私たちと同じように、3国とも猫は勝手(?)な性格であると認識しているようであった。フィリピンでは佐藤マリビィック氏の話から、動物との関係において一線を引きつつも、自分に危険のない動物以外は全てを愛しているといった、より自然的な動物の存在が受けてとられた。
今回の月例会では、動物で表現されることわざ、十二支の存在、さらには盲導犬などの使役犬の存在、クジラに関して、はたまた飼っている動物の死についてなど多くの質問が飛び交い、演者の方々も自国の社会的な側面なども含め多く議論された。中国、韓国では干支の存在は重要であり、特に韓国では年齢を聞くより先に干支を聞く、結婚では相性において重要視されるなど生活に密着した形で干支が用いられると述べられた。
石田氏はその結論において、「やはり東アジアの人々と我が国では、違いをあげれば細かい点で多々みられるが、その動物に対する考え方は大きくは異ならないのではないか」とまとめられた。動物に対する態度、動物の役割に表れる動物観に関しては、それぞれの国々のなかでも地域、風土によって異なってはくるが、やはり広義においてはアジア人のもつ動物への感覚に一致が感じられた。諸外国における動物観の一致点と相違点、そこに現れる文化・歴史的背景、宗教など、私たち人と動物との関わりの原点を知る上で重要な研究の切り口は多く、注目すべき分野であることは間違いない。


 
     
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