ヒトと動物の関係学会(HARs)

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月例会報告

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ヒトと動物の関係学会第38回 月例会
Green Chimneys サミュエル・ロス博士講演

 2004年4月19日、麻布大学においてヒトと動物の関係学会第38回月例会が開催された。今回は、アメリカニューヨーク州にあるGreen Chimneysの創設者、サミュエル・ロス博士を招き、施設についての概要を中心に講演会を行った。


11:00 あいさつ 太田 光明(麻布大学 獣医学部)
11:10 「サミュエル・ロス博士講演」
11:45 「スーザン・ブルックス心理学博士講演」
12:15 質疑応答
13:00 閉会

サミュエル・ロス博士 スーザン・ブルックス博士 木下 美也子氏 会場の様子

 平成16年4月19日、麻布大学 百周年記念ホールにて、ヒトと動物の関係学会第38回月例会が行われた。会場は、平日の大学であったことから、学生を中心として200名もの聴衆で埋め尽くされ、アニマルセラピー分野におけるGreen Chimneysの知名度の高さがうかがえた。今回は、創設者であるサミュエル・ロス博士、ファーム(農場)心理学者であるスーザン・ブルックス博士、さらに乗馬インストラクター兼乗馬プログラムのディレクターの木下美也子氏を迎え講演が行われた。

サミュエル・ロス博士は、その冒頭で「動物と子どもたちはマグネットのように近づき、学ぶ力を促進する」と述べ、続いてGreen Chimneys創設における背景をお話しされた。自然と動物はGreen Chimneysの大きな理念となっている。設立当初のファームでは家畜を自分たちの食事として屠殺していたが、後に「我々の先生を屠殺するなんて?!」と疑問に感じ止めた。そして、当初を振り返り、このような施設における地域の理解を得るための努力も付け加えた。「悲しいことに私たちの仕事はなくなりそうもない・・・」現在、102名の子どもたちがGreen Chimneysで暮らし、80名が通ってきている。子どもたちの笑顔や希望を取り戻すのが使命であり、この50年やってきて、「ファームがあって、動物がいて、子どもがいる」このことが何よりよかったと思う、そして当時の宣伝に用いた「子どもたちの夢のかなう場所」も現在では現実のものであると思っているとおっしゃられた。最後に、我々に対し「世界をよくするためにあなた達に何ができるか?」と挑戦状を渡し、講演を締めくくった。

心理学者であるスーザン・ブルックス氏は、実際のGreen Chimneysの活動を中心に講演を進行された。AAT(Animal Assisted Theraphy)は「人と動物の行動が融合したプログラムであると考える。」一般には、“relationship”で説明されるが、この言葉は実に幅広く、一度辞書を開いてみてほしいとその冒頭で話された。そして本から得られるものだけではなく、知識と実践を合わせ両方ができて初めてAATができる。そして、動物のことを学んだ人は人の事を学ばなくてはならない、また逆に、人を学んだ人は動物を学ぶべきであると強調された。

質疑応答では、両氏から多くの説明がされ、「動物をはじめとする自然が、子どもたちの社会性に強く影響を及ぼす」ことを特に繰り返し述べられた。私たちがヒトと動物の関係学を学ぶ上で原点ともいえる内容であり、有意義で大変勉強になる講演会であった。

*Green Chimneys(グリーンチムニーズ)について*
 アメリカ・ニューヨーク郊外にあるグリーンチムニーズは、両親のドラッグやアルコールの依存、虐待などが原因で心に傷を負った子供たちが、動物との触れ合いにより心のケアを行う児童養護施設です。創設者サミュエル・ロス博士により1948年設立され各分野のスペシャリストからなるスタッフが、動物の力を借りたアニマルセラピーを中心に、さまざまな精神療法プログラムを行い6〜21歳の子供達のケアに取り組んでいます。現在、約100人の子供達と、たくさんの動物がグリーンチムニーズで生活を共にしています。
 
サミュエル・ロス博士
グリーンチムニーズ創設者。バージニア大学卒業後、ニューヨーク大学大学院で幼児童教育学を専攻し、博士号を取得。シンシナティ連合研究所より人類奉仕管理学で博士号を取得。ニューヨーク州、デルタ協会など数多くの賞を受けている。
スーザン・ブルックス心理学博士
グリーンチムニーズやワイルドライフ・センターで、ファーム(農場)心理学者として活躍中。ここ最近、E.F.P.(Equine Facilitated Psychotherapy)、馬を用いたセラピーや、A.A.P.(Animal Assisted Psychotherapy)を指揮している。
木下美也子 障害者乗馬インストラクター
グリーンチムニーズの元インターンで現在は障害者乗馬インストラクターとして活躍している。日本人インターンシップ集中訓練プログラムのコーディネイトを担当しており、グリーンチムニーズと日本人の架け橋となり活躍している。


 
     
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