ヒトと動物の関係学会(HARs)

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月例会報告

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第31回月例会
『人が動物を意識したとき』
9月1日、京都市の京大会館でヒトと動物の関係学会第31回例会が、(社)京都市獣医師会の後援、(株)微生物価格研究所の協賛で開催された。溶けそうに暑かった京都の夏よりさらにアツ〜イ論議が交わされた。
 

『はじめて犬を飼ったのはネアンデルタール人かサピエンスか?』
埴原和郎先生(東京大学・国際日本文化研究センター名誉教授)

人類学の大御所である埴原先生は、シリアでの発掘調査の話を中心に講演。「犬の家畜化の起源は12000〜2万年前とされているが、シリアの調査地で43000〜11万年前の地層から人とともに埋葬されたと思える犬らしき骨が見つかった。もし、これが犬だとすると、家畜化の起源はずっと逆上ることになる。ネアンデルタール人が犬を飼っていたことになる」という興味深い内容。

以後、話はネアンデルタール人の感覚について、ネアンデルタール人とホモサピエンスとの違いについてなど多岐にわたり、最後はシリアで拾ってきたという少なくとも100万年前の石器を披露。門外漢には、ただの石にしか見えなかったが、参加者一同、石を手にして太古の世界へとタイムスリップ。

 
『犬はなぜ人と移動したのか』
田名部雄一先生(岐阜大学名誉教授)

犬の祖先はオオカミだが、なぜキツネではなくオオカミだったのか。オオカミの子とキツネの子における人との親和性を調べると、オオカミの子の半分は人に寄ってくるという性格を持つ。一方キツネの子の場合は人に寄ってくる個体はなく、どうしようかとモジモジするものが10%あるのみ。これがオオカミが家畜化された理由ではないか。

人は世界に広がる過程で犬のみを連れて行った。その他の家畜は、その後に家畜化。数ある家畜の中で人との双利共生は犬と猫のみ。ここに犬と人とのつながりの起源が考えられる。

犬種別血液遺伝子から人間の移動経路を探る先生の研究に話は移行。日本犬の遺伝子から日本人はどこから来たのかを考える、なんと魅力的な世界であることか。ロマンあり。

 
『人が動物を描いたとき、描かれなかった犬科と描かれた猫科』
宮田勝重先生(宮田動物病院院長)

美術をはじめ民俗学的なアプローチから人と動物との関係を探ることが大好きな宮田先生、「メソポタミアの壁画には猫やネコ科は数多く描かれているが、犬が描かれていることは少ない。猫は信仰の対象だったのではないか。とすると猫の家畜化は、ネズミ退治が理由ではなく宗教のかかわりから始まったのではないか」という説を熱弁。

犬は人が連れて行ったのではなく、スカベンジャーゆえに犬が人について行ったのではないか」というのも先生のユニークな説。結構な説得力でした。

 
総合討論
司会の秋道智彌先生(ヒトと動物の関係学会会長)も加わって総合討論。

ニワトリの家畜化の話、信仰の話、埋葬の話、犬と人とのかかわりなど、話は様々な方面へ展開。「論点がはっきりしない」という批判も出たが、それでも話は展開しまくり。「種々雑多な話をそれぞれの分野に持ち帰り、それぞれの今後に役立てればいい」と埴原先生。はい、それがこの会の主旨なんです。

先生方、興味深い楽しい話をありがとうございました。

 

詳しくは次号の学会誌(通巻12号)に掲載されています


 
     
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