ヒトと動物の関係学会(HARs)

会員登録内容変更 | トップページへ戻る
HARs活動 | HARs関連機関の活動 |
過去の大会報告 | 事前登録 | 演題募集 |
学会誌一覧 | 学会誌購入 | 投稿 | 投稿規定 |

シンポジウム報告

small logo
   

 

ヒトと動物の関係学会
第10回 シンポジウム 「犬・猫・獅子の文化誌と人間」
日時: 2004年10月31日(日) 14:00〜18:00
会場: 関西学院大学大阪梅田キャンパス(KGハブスクエア大阪)
  大阪市北区茶屋町19-19 アプローズタワー14階
秋道智彌(総合地球環境学研究fsr所教授・ヒトと動物の関係学会長)
松井章(奈良文化財研究所助教授)
宮田勝重(獣医師・宮田病院・東京都)
小寺慶昭(龍谷大学文学部教授)
14:00-14:05 
挨拶 奥野卓司(関西学院大学社会学部教授・ヒトと動物の関係学会副会長)
14:05-14:10
司会者による趣旨説明 
秋道智彌(総合地球環境学研究所教授・ヒトと動物の関係学会長)
14:10-15:00
「人に食われる犬、人を食う犬」 
松井章(奈良文化財研究所助教授)
15:00-15:55
「犬信仰を捨てた人たち―古ヨーロッパと印欧語族の犬と猫」
宮田勝重(獣医師・宮田病院・東京都)
15:55-16:05 休憩
16:05-17:00
「参道狛犬の誕生と《棲み分け》」 小寺慶昭(龍谷大学文学部教授)
17:00-18:00 総合討議
 
会場の様子1
会場の様子2
会場の様子3
総合討議
 ヒトと動物の関係学会第10回シンポジウムは、10月末日の日曜午後、大阪梅田の高層ビル内会議室にて、会場提供者である関西学院大学の教員サークル「人間と動物の共生関係について考える会」との共催という形で開催された。奥野副会長の挨拶のあと、秋道会長が演壇に立ち、本学会の活動に貢献され今月初めにお亡くなりになった埴原和郎先生(東京大学名誉教授・国際日本文化研究センター名誉教授)に黙祷を捧げてから、今回のシンポジウムの趣旨説明が行われた。動物(特に犬族と猫族)のシンボリックな役割を文化誌的に問い直すための企画ということであった。
まず、松田氏が、考古学的資料(発掘された犬と人間の骨)や屏風絵などのスライドを数多く上映しながら、日本における犬と人間の「互いに食べ、食べられる関係」について解説した。犬食をしていたのは下層民だけであるとの通説に対して、上級武士による犬食の証拠などを呈示されるなど、一般のシンポジウム参加者にとって驚く事実が次々と提供された。
次に宮田氏が、ヨーロッパ地域における動物信仰について、石器時代から印欧語族の侵入(紀元前3000〜1000年)までの流れを、スライドで紹介した。イヌ科の動物に対する信仰は、時代性・地域性があって、ネコ科の動物ほど普遍性がないことが示された。その理由についてほかの動物を含めて、行動・性格特徴(家畜化の程度、集団・単独生活、凶暴・温和、自主性・依存性、一芸)、大きさ、牙・角の有無、毛の特徴、飼育・生息環境、有用性などの「通信簿」を元に考察が行われた。
最後の話題提供者である小寺氏のお話は、「狛犬」に関する基礎知識の講義から始まった。続いて近畿圏を中心に日本国内のさまざまな参道狛犬の写真紹介が行われた。まとめとして、江戸時代の参道狛犬文化圏についての考察が披露された。狛犬探訪の際のエピソード紹介や、ユーモラスな狛犬の写真の連続に、会場は大爆笑であった。
総合討議では、ヒトと動物の「距離間」の問題、信仰される動物と馬鹿にされる動物、といった話題について、司会の秋道会長、話題提供者の松田氏、宮田氏、小寺氏、そして会場の聴衆から質疑が相次いた。これらの問題に対する明確な結論は出なかったが、これはヒトと動物の関係に関する研究の「新たな宿題」という形で、今後も検討していくことを秋道会長が提唱して、シンポジウムの幕が閉じられた。


 
     
About Us | Privacy Policy | Contact Us | ©2008 Human Animal Relations (HARs)